2025年6月5日。阪神タイガースの佐藤輝明選手が日本ハム戦で通算100本塁打を達成しました。
今年、プロ5年目のシーズンで到達したこのマイルストーン。しかし、驚くべきはその内容です。
6月5日現在、16本塁打・41打点でともにセ・リーグトップ。打率も.288と安定し、堂々たる中軸としての存在感を放っています。(もちろん三振も61個でトップです。)
昨年までの“荒削り”“波が大きい”といったイメージを覆す活躍ぶりに、ファンも専門家もざわついています。
いったい、何が変わったのか?
過去の“もろさ”と格闘した4年間
佐藤輝明選手は2020年秋、ドラフト1位で阪神に入団。1年目から24本塁打と派手な打撃を見せつけるも、リーグワーストの59打席連続無安打や新人最多の173三振を記録するなど、課題も山積みでした。
2年目には開幕戦で4番を任されるものの20本塁打。3年目は開幕から不振で2軍落ち。後半盛り返して23本塁打・90打点を記録したが、安定感に乏しい1年だった。4年目も守備難から2軍落ちし、成績は下降気味。
「三振かホームラン」の典型的な“粗削りスラッガー”というレッテルが貼られ、毎打席期待と不安が交錯する存在でした。
そして2025年、“生まれ変わった”サトテル
2025年、藤川球児監督の就任とともに佐藤輝明選手のバットが火を吹きます。
交流戦前(6月1日)時点で13本塁打・37打点・打率.290。これまでの“波”が見られない、安定感と爆発力の両立がなされています。
しかも注目すべきはその打球方向の変化です。
- 昨年までの84本塁打中、右中間〜右方向が6割以上(54本)
- 中堅が16本、左中間〜左方向はわずか14本
- つまり「引っ張り傾向が強い」タイプだった
しかし今季は、
- 13本中、右中間〜右方向6本、中堅3本、左方向4本
- 広角に打てるようになった=狙い球の対応力が向上
本人は「良い形で来ていると思う」と多くを語りませんが、オフから逆方向にも打つ意識を高めていたとされ、それが実を結んでいます。
データが証明する「逆転の進化」
セイバーメトリクス分析のデータにも、彼の変化ははっきりと現れています。
株式会社DELTAのデータによると──
- チェンジアップに対する得点貢献(wCH/C):17.22(昨年は1.62)
- シンカーへの対応(wSI/C):29.17(昨年は2.45)
- 勝利期待値への貢献(WPA):12球団1位の0.95
これらは「苦手球種に対応できるようになった」、「勝負所で結果を出せるようになった」という、打者としての“完成度”を物語っています。
藤川監督の一言「アグレッシブなシーズンを」
藤川球児新監督は、就任当初こう語っていました。
「アグレッシブなシーズンを送ってほしい」
まさに佐藤輝明選手は、その言葉通りに攻める姿勢で結果を出し続けている。
三振数は相変わらず多いものの、それを補って余りある長打力と勝負強さ。
かつて“粗削りの素材型”と呼ばれた男が、ついに「打点を計算できる4番」へと生まれ変わりつつあります。
逆転のキーワードは「バランス」
これまで、長打力はあるが粗い。そんな評価を覆した今季の佐藤輝明選手。
打球方向のバランス、球種対応のバランス、勝負所での心理的バランス。
5年かけて彼はようやく、「型にハマらない打者」から「型を上回る打者」へと変貌しました。
まだ26歳。この先の伸びしろを考えると、彼の進化は“通過点”にすぎないかもしれません。
最後に──“逆転”は、努力の継続に宿る
佐藤輝明選手の進化は、単なる確変ではなく、苦悩と葛藤を重ねた4年間の集積です。
野球人生において「失敗」や「遠回り」を味わった選手が、そこで終わらず、自らを“書き換えて”いく姿。これぞまさに、逆転の真髄。
彼の今期は、すべての「結果が出ない日々」に悩む人たちにとって、希望のロールモデルになるはずです。
📌データ協力:DELTA(https://1point02.jp/)
📍参考記事・出典:Full-Count編集部
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