誰もがプレーオフを予想していた18番ホール。だが、”そら”が飛んだ――。
2025年5月18日、「Sky RKBレディースクラシック」で、女子ゴルフ界に新たな逆転ドラマが生まれました。主役は、2年ぶりの勝利を掴んだ神谷そら選手。その舞台は福岡雷山GCの最終18番ホール。そしてこの逆転劇を生んだのは彼女の代名詞でもある“飛距離”でした。
神谷そらが2年ぶりツアー3勝目#神谷そら #SkyRKBレディスクラシック #ゴルフhttps://t.co/fqTBnid6dI
— GDOニュース (@GDO_news) May 18, 2025
誰もがプレーオフを信じていた最終ホール
最終ホールを迎えた時点で、リーダーボードのトップに並んでいたのは金澤志奈選手と小祝さくら選手。神谷選手は一時、首位と4打差もあり、誰もが「これはプレーオフだ」と思っていた瞬間――。
神谷”そら”が飛んだのです。
260ヤードの武器、そして6メートルのイーグルパット
18番はパー5のロングホール。ここで神谷選手は、平均飛距離260ヤードを誇るドライバーショットでフェアウェイを突き抜けると、2打目で見事にグリーンを捉え2オン。残るは6メートルのイーグルパット。
これを……沈めた。
実況もファンも声を失った瞬間。会場がどよめき、スコアボードが動いた。一気に単独首位に浮上し、逆転優勝を果たしたのです。
本人も一瞬斎藤優希キャディを見て「優勝?」と確認しているような素振りでした。
“そらフォーム”の秘密 ― 肩が100度回る異次元スイング
神谷そら選手のスイングは独特です。バックスイングで肩の回転角度は100度超え。そのしなやかさとパワーで生み出される飛距離は女子ゴルフ界屈指。
ドライビングディスタンス部門では入谷響選手を抑え現在ランキング1位。飛距離がスコアを変える。それを証明した18番の一撃でした。
逆転の裏にあった“戦友の涙”と“炎”
今回の逆転勝利には、もう一つの伏線がありました。
2週前のパナソニックオープンで、長いケガから復活優勝を遂げたのが、神谷選手と親しい先輩の菅沼菜々選手。18番ホールで涙ながらに抱き合った二人の姿が話題になりました。
あの時、菅沼選手の優勝を誰よりも喜んでいたのが神谷そら選手。お互い2年間けがで苦しんだ「戦友」同志の涙の抱擁でした。それが今回、自らの逆転劇のエネルギーになったのは間違いありません。
「あの姿を見て、自分もやらなきゃと思った」
この思いがこの18番ホールにつながったのです。
ちなみに、菅沼選手は自身のインスタグラムで、最終ホールに立ち会えなかったことを謝りつつ、心からの祝福コメントを送っていました。まさに“戦友”の絆。
表彰式で飛び出した”そら”ジョーク
大会名「Sky RKBレディース」にちなんで、表彰式ではRKBの社長が、
「そら選手、Sky初代チャンピオン!」
と笑顔でダジャレ。会場もほっこりした空気に包まれました。
敗れた金澤志奈選手にも拍手を!
惜しくも優勝を逃した金澤志奈選手。しかし、そのプレーは圧巻でした。18番ホールで見守っていたのは、金澤選手が“師匠”と慕う申ジエ選手。ホールアウト後、優しく迎えたその姿が印象的でした。
金澤選手の初優勝も、きっと近い将来見られるはずです。
「逆転トレンド研究所」的考察:勝敗を分けたのは“物語”だった
スポーツにおける逆転劇の多くには、技術だけでない人間ドラマが潜んでいます。今回の神谷そら選手の勝利も、菅沼選手との絆、復活への思い、そして“飛距離”という武器が噛み合った、まさにトレンドになるべき逆転劇でした。
▶まとめ:下を向くな、逆転の女神はそらにいる!
ゴルフ界にまた一人、“逆転の女神”が誕生しました。その名は、神谷そら。
次なる逆転劇も、この「逆転トレンド研究所」で追っていきます!
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