2025年5月29日、全米女子オープン第1日目。
世界最高峰の舞台で、日本から参戦した26歳の河本結(かわもと・ゆい)選手が6番のショートホールで放った“魔法の一打”が、会場の空気を一変させました。
第1打でグリーンに乗せられなかった河本選手だが、左奥からの2打目が絶妙な強さで転がりボールは見事なチップイン。ギャラリーからも拍手が起こった。
全米女子オープン公式X(旧Twitter)には「カワモトマジック!」の文字が踊り、バーディーを決めたスーパーショットの映像が世界に拡散。放送席からは「ワオ!」と歓声が上がりました。あの一打には、ただの技術だけではなく、彼女の“逆転劇”の始まりを告げるような強烈なメンタルのエネルギーが宿っていたのではないでしょうか。
「超かっこ悪い」から始まった、もうひとつのドラマ
河本結選手といえば、黄金世代の一角として華々しくプロ入りし、2020年からはアメリカツアーに挑戦しました。しかし、言語・生活環境の壁に苦しみ、わずか2年で撤退という苦渋の決断を下しました。そのとき、彼女が口にしたのは「超かっこ悪いですけど、決めました」という言葉。
普通なら、その場から逃げたくなるような“白旗”。それを彼女は、自分の言葉で正直に語り、「甘かったと思います」と自らの弱さを受け入れた。プライドをかなぐり捨てたその決断こそが、逆転人生の第一歩だったのです。
忘れられかけた存在からの、静かな反撃
以降、国内ツアーでは結果が出ず、苦しいシーズンが続きました。若い才能が毎年のように現れる女子ゴルフ界において、「河本結」の名前は一時、話題から遠のいていました。
しかし2024年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで5年ぶりの優勝。その後は度々上位に顔を出すようになり「河本結復活」を印象付けました。
実は本人はあきらめていなかったのです。2021年のアメリカツアー撤退後の日本ツアー復帰初戦となったリゾートトラストレディスでは「またいつか米ツアーに挑戦したい」と語り、静かにその火を灯し続けていたのです。
それから3年・・・
チップインの一打は、「逆転人生」の号砲だ
今回のチップインには、そんな河本結選手の“積み重ねた時間”が詰まっています。苦しみ、葛藤し、自分を恥じながらも前を向き続けた者にしか出せない人生の軌道かもしれません。
このチップインが単なる「ナイスショット」ではなく、彼女の逆転リベンジ人生の“号砲”になるのではないでしょうか。
黄金世代の26歳。
遅すぎることなんてない。
たとえ周囲が忘れても、自分が諦めなければ、人生はもう一度、走り出す。
逆転トレンド研究所:今後の注目ポイント
- 河本選手がこの勢いを継続し、決勝ラウンドまで進めるか?
- 再び米ツアー挑戦への明言があるか?
- 弟・河本力選手との“姉弟アメリカンドリーム第2章”が始まる可能性は?
チップインひとつで、人生が変わることはないかもしれない。
でも、「その一打から、物語が動き出す」──そんな瞬間を、私たちは目撃したのかもしれません。
全米女子オープン、首位に1打差の2位タイで2日目を迎える河本結選手に注目です!

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