女子プロゴルフ界に、いま「逆転の風」が吹いています。
主役のひとりが、2005年生まれ・20歳の2年目、菅楓華(すが・ふうか)選手。2023年のプロテストに一発合格、今シーズンは出場12試合でトップ10入り6回という好調ぶり。メルセデスランキング3位(6月9日現在)と、安定感では同期の中でも群を抜いています。
にもかかわらず……まだ優勝がない。
そしてここ2週で、彼女の心を激しく揺さぶる出来事が連続しました。
稲垣、高野が初優勝…96期生“同期Vラッシュ”の中で感じた悔しさ
2週間前のリゾートトラストレディースでは、96期生の稲垣那奈子選手がプロ初優勝。そして昨日のヨネックスレディースでは、またもや96期の高野愛姫選手がツアー初V。
一方、菅選手は6位タイフィニッシュ。決して悪い成績ではありません。むしろ安定感は抜群。しかし、同期が次々と優勝という結果を出す中、彼女の胸には「悔しさ」と「焦り」が滲んでいたはずです。
だが――この悔しさこそ、彼女を“覚醒”させるトリガーになるかもしれません。
試練の“スコア誤記失格”…そこから始まった逆転劇
菅楓華選手には、もうひとつ忘れてはならない“逆転ストーリー”があります。
それが2023年11月、ファイナルQT(来期の出場優先順位を決める大会)での出来事。
本来ならば5位という好順位で終え、晴れてレギュラーツアーへの切符を手に入れたはずでした。ところが――スコア誤記によりまさかの失格。一気にQTランキング104位へと転落してしまったのです。
「すごいショックで、ずっと泣き崩れていました。でも両親からは、『泣いていても前に進めないよ』って言われて…」
しかしその後も腐らず、スポンサー推薦や限られたチャンスをモノにし、昨年のQTは”誤記なく”20位で通過、そして今やメルセデスランク3位。この粘り強さと前向きなマインドこそ、まさに“逆転の女神”の資質です。
“神様の子”が挑む、運命のサントリーレディス
そんな菅楓華選手が、いよいよ勝負に挑むのが次戦・宮里藍サントリーレディス(6月12日〜)。

この大会では2位以内に入れば、海外メジャー「全英女子オープン」の出場権が手に入ります。海外での活躍を夢見る菅楓華選手にとっては、運命を左右するビッグチャンス!
しかも、彼女は“神様に愛されしゴルファー”でもあります。
「パワースポット巡りが趣味で、試合のときも時間があれば訪れるようにしています」
育ったのはみそぎ発祥の地・宮崎県。地元の江田神社のお守りをキャディーバッグに忍ばせ、精神を整える日々。スイングと同じくらい、心の整え方も彼女の強さの秘密です。

荒木優奈との宮崎コンビにも注目!
日章学園(宮崎)の同級生である荒木優奈選手も今季は大健闘中。こちらも初優勝が視野に入っており、“日章学園コンビ”の同期対決がシーズン後半を盛り上げてくれそうです。
逆転は「準備された者」に訪れる
優勝が先か、全英行きの切符が先か。
ただひとつ言えるのは、菅楓華選手の「逆転ドラマ」はすでに始まっているということ。泣き崩れたあの日から、静かに、着実に、彼女は這い上がってきました。
今度こそ――この悔しさを、勝利の涙に変えるとき。
次週の「宮里藍サントリーレディス」、見逃せません!
※最新情報は大会公式サイトまたはJLPGA公式ページでご確認ください。
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