~“エラー&ラーン”で挑む再起のシナリオ~
「独り勝ち」だったはずのセブンイレブンが、いま「一人負け」と報じられています。
コンビニ3強――セブン・ファミマ・ローソンのうち、これまで圧倒的に強かったセブンの売上がここにきて足踏み。
一体、何が起きているのでしょうか?
そして、この状況からセブンはどう“逆転”できるのでしょうか?
■ セブンが苦戦している3つの理由
1. 【SNSで炎上】“上げ底弁当”の悪評
セブンイレブンといえば「高品質」「おいしい」イメージが強かっただけに、SNSで拡散された“上げ底弁当”の投稿は痛手でした。
「見た目より中身が少ない」「割高感がある」という不信感が広まり、ブランドの信頼性に揺らぎが生じました。
2. 【価格戦略の失敗】“高いけど普通”
一方、ファミマやローソンは値引き・キャンペーンなど「お得感」を重視。
セブンは高価格路線を維持する一方で、「その分、特別おいしい」感覚が薄れてきたという声も。
「高いのに感動がない」――このズレがリピーター離れに繋がっているともいわれます。
3. 【商品開発の硬直化】驚きやワクワク感の欠如
新社長・阿久津知洋氏も認めるように、「おいしいけれど新しさがない」という商品開発の限界も見えてきました。
かつてのセブンは「これがコンビニで!?」と驚かれる革新を次々に生んでいましたが、近年はやや守りに入った印象です。

■ ライバルが“逆転”し始めている
一方、ファミリーマートは「デジタルサイネージ」や「無人レジ」など新機軸を次々投入。
ローソンも「からあげクン」など人気定番商品の再活性化に力を入れています。
「ファミマがセブンを逆転する日も近い」と囁かれるようになった今、まさにセブンにとっては“逆転を許した状況”とも言えます。
■逆転の法則で読み解く、セブン再起のカギ
逆転トレンド研究所では、「逆転を生む10の法則」を研究してきました。
今回はその中から、以下の3つの法則がセブン復活のヒントになると考えます。
▶ 法則①「劣勢の認識と受容」
新社長・阿久津氏が語った「お客様からの評価が厳しいことは認識している」という発言。
これこそが逆転の第一歩です。「失敗を認める姿勢」=「エラー&ラーン」が明確に示されました。
この“謙虚さ”が、セブンを再生の道へ導く出発点になるでしょう。
▶ 法則②「原点回帰と本質の再発見」
セブンの強みは「コンビニでここまでできるのか」という驚きを常に提供してきた点です。
その原点に立ち返り、「食」で再び感動を生み出すこと。
たとえば、現在順次導入されている「焼きたてパン」。
“香り”“ライブ感”“温かさ”という本質的な魅力が、セブン再逆転の象徴になるかもしれません。

▶ 法則③「未来を見据えた挑戦」
「お客様の期待を超える、新しい価値を」――阿久津社長の言葉からは、これまでの“守りの姿勢”を打ち破ろうとする意志が見えます。
いまこそ、商品開発やデジタル化で“もう一歩先の未来”を描く挑戦が必要です。
かつての“革新王”セブンが、“挑戦者”として復活する日が来るのか――。

■まとめ:セブンは“逆転力”を持っているか?
かつての「独り勝ち」から、「一人負け」と呼ばれるまでに至ったセブンイレブン。
しかし、逆転の法則が示すように、“劣勢”の裏には“逆転の種”が眠っているのです。
今、セブンは変わろうとしています。
「エラー&ラーン」という言葉をただのスローガンで終わらせず、実行力と想像力で再起の一歩を踏み出せるか。
コンビニの王者・セブンの“逆襲”に、私たちは注目しています。
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