藤浪晋太郎――その名前を聞いて、真っ先に思い浮かべるのは、あの甲子園の快投ではないだろうか。春夏連覇、153キロの剛速球、そして阪神タイガース1位指名。高卒ながらエース候補として華々しくプロデビューした彼が、結局はアメリカのメジャーでも四球王と呼ばれ、防御率7点台で自由契約を言い渡される日が来てしまった・・・
だが、その藤浪晋太郎に今、再びスポットライトが当たり始めている。獲得に動いたのは、意外にも古巣・阪神ではなく、現在3位に位置する横浜DeNAベイスターズだ。
■なぜ藤浪は阪神に戻らないのか?
阪神ファンにとって、「え、阪神じゃないの?」という声が漏れるのも当然だろう。
しかし、今の阪神は先発・リリーフ共に12球団トップクラスの戦力を持ち、藤浪選手の入り込む余地は狭い。さらに、すでにドリス、ハートウィグといった救援陣の補強に動いており、藤浪選手の復帰に消極的なのは明らかだ。
確かに、阪神には藤浪晋太郎の“記憶”が色濃く残りすぎているのかもしれない。イップス疑惑、乱闘、制球難。ファンや球団にとっては、“戻ってきてほしいけれど…いや、やっぱりちょっと…”という複雑な心情があるのだろう。
■DeNAが見た「逆転力」
一方、DeNAは違った。頼みのトレバー・バウアーが不調で離脱し、投手陣は補強必須の状況。打線ではフォード、ビシエドを立て続けに補強し、次に求めたのは“変化を起こす存在”だった。
メジャー防御率7.18の投手をなぜ今、DeNAが選んだのか?
それは、藤浪晋太郎という男が“流れを変える男”であることを、どこかで感じているからではないだろうか。
■逆転の法則からの考察
【法則3】記憶を塗り替えろ
藤浪選手にとっても、阪神時代の記憶は輝きと同時に「制球難のイメージ」として強く刻まれている。だが、横浜という新天地で「新しい自分」を証明すれば、あの記憶は“過去”になる。藤浪選手がDeNAで勝ち星を重ねれば、「藤浪=横浜の救世主」として記憶は上書きされるに違いない。
【法則7】環境を変えろ
人は環境が変われば、思考も行動も変わる。メジャーでも日本でも、厳しい視線を浴び続けた藤浪選手だが、横浜という新しい環境、そしてチームの「逆転優勝」という目標の中でなら、再び自分を解放できるかもしれない。
「阪神じゃないの?」ではなく、
「DeNAでこそ良かった」と言わせる未来が、きっとある。
■期限は7月31日。間に合うか、最後の逆転劇
藤浪選手のNPB復帰期限は7月31日。DeNAはそのギリギリのタイミングで、勝負をかけてきた。栄光と挫折の両方を知る男、藤浪晋太郎。彼がベイスターズブルーに袖を通すその日こそ、再び“逆転の幕が開く日”なのかもしれない。
DeNAの「最後の賭け」は、“四球王”に終止符を打ち、“再逆転の物語”を始められるのか。目が離せない。
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