ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」はなぜ原作と違うのか?宮本輝『優駿』との比較で見る“競馬ドラマの魅力”|第1話「ゲートイン」より

🎬逆転トレンド研究所

みなさん、「ザ・ロイヤルファミリー」見てますか?
競馬ファンの私は毎週日曜を楽しみにしていますが、周りでは「原作と違う!」とか「宮本輝の『優駿』の方が百倍面白い」なんて声もチラホラ。
というわけで今回は、当研究所の“競馬語りコンビ”――ひろしイザキが第1話を語ります!


🗣️対話:第1話「ゲートイン」を語る

ひろし:
イザキさん、ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」見ました? 競馬好きにはたまらない内容ですよね?

イザキ:
うーん、オレ先に原作読んじゃったからちょっと違和感があるんだよなあ。

ひろし:
なんで原作から入るんですか? ドラマを素直に楽しめないじゃないですか。

イザキ:
オレはなんでも原作から入るタイプなんだよ。
原作では、正月の金杯で「ロイヤルダンス」という馬が穴をあけるところから始まるんだ。
でもドラマは、税理士・栗須栄治が人材派遣会社の“競馬事業”を監査するところから始まる。初期設定が全然違うんだよ。

ひろし:
そういう細かいことはいいじゃないですか(笑)!
社長の山王耕造、あれぞ“経営者馬主”って感じでハマってましたよ。

イザキ:
ひろしくん、宮本輝の『優駿』って読んだことある?

ひろし:
ないです。「ザ・ロイヤルファミリー」となんか関係あるんですか?

イザキ:
競馬ファンなら一度は読むべき名作だよ。
『優駿』に出てくる馬主・和具平八郎と「ザ・ロイヤルファミリー」の山王耕造、どこか重なるんだ。
どちらも経営者で、60代前半。理想と現実の間で揺れる“昭和の男”だな。


🏇登場人物の比較と設定の違い

ひろし:
へぇ~。でもドラマの主人公・栗須は“競馬を知らない素人”ですよね。
山王と出会ってこの世界にのめり込むストーリー。『優駿』にも似たキャラが出てくるんですか?

イザキ:
出てくるよ。“多田時夫”という和具平八郎の秘書がまさにそれ。
競馬を知らないからこそ、人間のドラマを客観的に見つめられる存在なんだ。

ひろし:
なるほど。でもやっぱりドラマの方が映像的に熱いですよね。
第1話の未勝利戦、ロイヤルイザーニャが人気薄で勝つあのシーン、手に汗握りましたよ!

イザキ:
原作でも似た展開はあるよ。確かにレースシーンは筆力が問われるね。
そういえば足の曲がった“ロイヤルイザーニャ”は、『優駿』の“顔に傷を持つミラクルバード”を彷彿とさせる。
どちらも“欠点を持つ馬が奇跡を起こす”シンボルなんだ。


🌄映像と文学の違い

ひろし:
それにしても、北海道の日高の牧場シーン、映像が美しかったなあ。
あれは小説では出せない臨場感ですよね?

イザキ:
確かに、あの映像は圧巻だった。
原作の早見和真さんの筆力もすごいけど、セリ市の空気や冬の牧場の光は映像の勝ちだな。
ちなみに『優駿』の舞台は静内で、「ロイヤルファミリー」は日高。
いまではこの二つの町、合併して“新ひだか町”になってるんだよ。

ひろし:
なるほど。現代と昭和が、舞台設定でもつながってるんですね。


🎬第1話ラストの“裏切り”

ひろし:
Episode1「ゲートイン」のラスト、泣けました。
職を失った栗須を山王が「うちに来い」と誘いながら、「絶対にオレを裏切るな」と言う――。
あの台詞、父を裏切ったという過去を抱える栗須には刺さりますよね。

イザキ:
うん。原作でも「裏切り」がキーワードなんだ。
実は『優駿』でも“裏切り”が物語の核にある。
人間関係も、会社経営も、馬主と騎手の信頼も――勝負の世界では“裏切り”からドラマが始まるんだよ。

ひろし:
……なるほど、深いなあ。
「優駿」読んでみたくなりました。じゃあ、Episode2のあとでもう一回語りましょう!


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