1試合で人生大逆転!稲垣那奈子が早大卒の異色ルートからツアー初優勝

スポーツ

~なぜ彼女はプロゴルファーへの道を遠回りしたのか?~


2025年6月1日(日)、徳島県・グランディ鳴門GC36で開催された「リゾートトラスト レディス」で、24歳の稲垣那奈子選手が見事JLPGAツアー初優勝を飾りました。

2000年生まれ、いわゆる「プラチナ世代」の一員でありながら、早稲田大学スポーツ科学部を卒業した異色の経歴。高校卒業後すぐにプロを目指すのが主流の女子ゴルフ界で、彼女はあえて遠回りとも言える道を選びました。

しかしその選択が、今になって「大逆転」のドラマを生み出しました。


異色の進路「共立女子第二高 → 早稲田大学」

女子ゴルフの世界では、高校卒業と同時にプロテストを受けるのが定番。しかし稲垣選手はその流れに乗りませんでした。

「高校3年のとき、自分の未熟さを強く感じたんです。頭も、技術も、体力も…すべてが中途半端だった。このままでは通用しないと思いました」

そう語った稲垣選手は、学業と競技の両立を選び、難関のアスリート選抜入試を経て、早稲田大学スポーツ科学部へ。卒論のテーマは「ゴルファーと腰痛の関連性」。徹底的に身体とゴルフの関係を学び尽くしました。


2度目の挑戦でプロへ。QT47位からの逆転劇

大学卒業後、2023年に2度目のプロテストで合格。96期生として迎えた2年目の今期、QTランクは47位で出場試合は限られたものでした。

しかし、わずかレギュラーツアー通算14試合目での初優勝。この1勝で一気に流れが変わります。

  • メルセデスランキング:21位にジャンプアップ
  • シード権獲得 → 今期すべての試合に出場可能
  • 最終戦「リコーカップ」出場権も獲得

まさに、1試合で運命がひっくり返った瞬間でした。


涙の18番ホールと、同期たちの祝福

最終18番ホールでは、プロ同期の高木優奈選手、高校の同級生でもある山口すず夏選手が出迎え、稲垣選手は感極まって涙。

さらに同じ坂詰和久コーチの門下である渡邊彩香選手からも祝福を受け、選手仲間からの厚い信頼も垣間見えました。


両親、仲間、すべての人へ「感謝」

優勝スピーチでは「両親は常に私をサポートすることを一番に考えてくれていて…」と、言葉を詰まらせながら感謝を述べた稲垣選手。

最後にこう語っています。

「これまで色々あったゴルフ人生の中で、すべてが糧になっていて、間違っていたことはないんだな、と感じています。これからも複数回優勝を目指して精一杯頑張ります」


稲垣那奈子という“逆転の星”が女子ゴルフ界に新風を

早稲田大学卒というアカデミックルートを経て、ようやくたどり着いたプロの頂点。稲垣那奈子選手の逆転ストーリーは、アメリカでは当たり前のように、日本女子ゴルフ界にも「正しい回り道」があることを証明しました。

「勉強したい」「自分を鍛えたい」――そんな思いが遠回りに見えて、実は最短ルートだったのかもしれません。

逆転トレンド研究所は、今後も「インテリゴルファー稲垣那奈子」の活躍を追い続けていきます。

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