大阪万博、ほんとに始まったの?
- 2025年4月13日、ニュースやワイドショーで「大阪万博開幕」が伝えられました。しかし関西圏はともかく関東圏では「え?ほんとに始まったの?」という声がほとんどでした。
- 当初、大阪万博に対する世間の冷ややかな反応や疑問の声(アクセス悪い、予算・スケジュールへの懸念、万博自体の古くささ、ミャクミャク気持ち悪いなど)から万博の成功は懐疑的に思われていました。
- 目標動員数2200万人、どう考えても無理でしょう?
大阪万博?誰が行くの?
特に関東圏に住む私の周りでは開幕当初大阪万博に行くという人は皆無でした。主に以下の理由がよく聞かれました。
- アクセス問題:「夢洲ってどこ?」「アクセス悪すぎる」との声。
- 万博の理解不足:「いまどき万博って必要?」「何が楽しいの?」「大屋根って無駄」
- 建設スケジュールや予算への懸念:パビリオンの建設遅れやムチャなスケジュール、費用超過の批判など。
- ミャクミャク批判:「意味がわからん」「気持ち悪い」と否定的意見多数。
- チケットが高い:「一人6,000円はちょっと出せない」
大阪万博、なんだか面白いらしい・・・
こうしたネガティブな反応がありながら入場者数は徐々に増えて行き、7月になるとSNS上の声にも逆転現象が・・・
「とても楽しかった」
「また行きたいから通期パスを買う」
「ミャクミャクかわいい」
「○○のパビリオンやっとできるらしい。がんばったね。」
大逆転の黒字ライン超え?
そして夏になると8月15日時点で入場券の販売枚数は1866万枚。日本国際博覧会協会は入場券収入が黒字化ラインの969億円を超えたと明らかにしました。また来場者が増えたことで、おみやげやグッズの売り上げも当初目標を上回っているようです。最終的に目標の2200万人を超え、2500万人という声も・・・大阪万博でいったい何が起こっているのか・・・
「逆転には必ず理由とストーリーがある」× 大阪万博の逆転要素
逆転トレンド研究所では、いろいろな場面で起こる逆転現象には共通する理由やストーリーがあると考えています。大阪万博の人気の逆転現象をこの観点から分析すると・・・
理由とストーリー | 内容 | 万博での逆転現象 |
---|---|---|
①イメージを刷新させる | ネガティブな印象を覆すポジティブな体験を提供する | ミャクミャクは「気持ち悪い」から“クセになる”“かわいい”への評価変化 |
②情報のリアルタイム公開で共感を生む | 進捗や失敗を隠さず伝えることで応援ムードを醸成 | パビリオンの建設の遅れを逐次更新、共に応援する雰囲気づくり |
③SNSに拡散される“楽しさ”をつくる | 楽しい体験が自然に拡散される設計 | 「楽しかった」「通期パス買う!」など来訪者のSNS投稿で話題化 |
④プロデューサーの信念が場の軸になる | 批判に負けず、理念を貫く運営の覚悟 | 開始前の批判を跳ね返し、運営側が決断したコンセプトを貫いたポリシー |
⑤逆境から共感を呼ぶストーリーを作る | 苦しい中でも諦めない物語が人を惹きつける | 建設の苦難、初期の批判を乗り越えた努力そのものが魅力に |
⑥体験型コンテンツで実感を伴う魅力へ | 体験が“伝わる”ほど印象に残る | インタラクティブなパビリオン設計、映えるフォトスポット |
⑦ユーモアで親近感を増す | 親しみやすさがファン化を促進 | ミャクミャクの“気持ち悪いキャラ”が逆に親しみやすさに |
⑧口コミの連鎖で広がるムーブメント | 一人の肯定が次々と共鳴を呼ぶ | 通期パス購入者の声→友人へ紹介→さらに来訪者増へ |
⑨期待以上の体験で満足度を超える | 実際に行って驚き・満足することで評価が一気に高まる | アクセスや待ち時間の改善、会場の運営の良さでリピーター増 |
⑩時代の共感に響くテーマの強さ | 共鳴するテーマが人を惹きつける | テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」が現代社会に響いた可能性 |
次の課題は関東圏、東日本への広がり・・・
さらなる入場者数の増加を目指すには
- 「私を含め関東圏にいる人はまだ“よし行ってみよう”まで踏み切れていない」
- しかし「身近な人に勧められたら……」⇒「実際に行った身近な人のSNS」が背中を押す
- 交通費と宿泊費が軽減されるキャンペーンの実施
5. まとめパート:逆転には必ず理由とストーリーがある
- 「大阪万博」は、ネガティブ評価から“行きたい・行ってよかった・口コミしたい”へと評価が逆転した典型的な現代の逆転劇
- 「逆転には必ず理由とストーリーがある」⇒他のプロジェクトやブランディングにも応用可能な法則
- 「誰かに勧められる意外なストーリー」の演出と拡散でさらなる入場者増へ
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