remontada 2017

――史上最大の逆転劇に学ぶ「逆転の法則」


■remontadaとは?

remontada(レモンターダ)とは、スペイン語で「逆転」「挽回」「巻き返し」を意味する言葉です。
サッカー界では、特に劣勢からの大逆転勝利
を指す際に使われます。

この言葉が世界的に有名になったのが、2017年3月8日――
UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16 バルセロナ vs パリ・サンジェルマンで起きた、
歴史的な逆転劇によってでした。


■remontada2017の概要

◆状況:誰もが「終わった」と思った

  • 1stレグ:パリ・サンジェルマン 4 – 0 バルセロナ
    → アウェイで4点差の敗北。欧州CLの歴史でも、ここから逆転した例はゼロ。
  • 2ndレグ:バルセロナ 6 – 1 パリ・サンジェルマン(合計6-5)
    → 後半終了間際の3得点で、一気にスコアをひっくり返す。世界が「奇跡」と驚愕。

この試合後、「remontada」はただのスペイン語ではなく、
“人間の限界を超える大逆転劇”の代名詞となりました。


■2ndレグの得点の流れと興奮の構造

時間スコア得点者(チーム)合計スコア
3分1-0スアレス(バルサ)1-4
40分2-0オウンゴール2-4
50分3-0メッシ(PK)3-4
62分3-1カバーニ(PSG)3-5 ←再び絶望的に
88分4-1ネイマール(FK)4-5
90分5-1ネイマール(PK)5-5
90+5分6-1セルジ・ロベルト6-5 ←大逆転!

観客、実況アナ、解説者、敵チーム、そして世界中のファンが言葉を失いました。
誰もが「不可能」と思ったことが、「現実」として目の前で起きたのです。


■なぜ逆転できたのか?【心理と構造からの分析】

この逆転は単なる偶然や奇跡ではなく、条件が整ったときに起きた「必然」だったとも言えます。

私たち逆転トレンド研究所は、「remontada2017」を以下の視点で分析しました。

「逆転を起こす法則10」は「逆転とはなにか?」を参照ください。)


① 感情の爆発と集中力の持続【法則2・4・5】

  • バルサの選手たちは、最後の1秒まで諦めない強いメンタルを持っていました。
  • 特にネイマールの覚醒(88分以降の2G1A)は、怒涛のような感情の噴出が引き金になっています。

② 強者(PSG)の心理的硬直【法則3】

  • PSGは3点目を取ったあと、「これで勝てる」と思った瞬間から守備的に縮こまりました。
  • 強者の「現状維持バイアス」が、逆転のスキを与えたのです。

③ “物語”が空気を変えた【法則7】

  • スタジアム全体が「あと2点で逆転だ!」と沸騰したとき、
    そこにはもうスコアではなく「歴史を作ろう」という一体感が生まれていました。
  • 勝敗ではなく、ストーリーを体現することが人を動かすのです。

■remontada2017から学ぶ「逆転の法則」

remontada2017は、私たちが提唱する「逆転を起こす10の法則」の多くを満たしていました。

法則内容適用例
法則2見えない力は劣勢の中に蓄積されるネイマールの覚醒、最後まで諦めないメンタル
法則3勝者のシステムは硬直しやすいPSGの守備固めによる逆効果
法則4感情が流れを変えるカンプ・ノウの熱狂、感情が選手に伝染
法則7物語が勝利を呼び込む“奇跡の逆転劇”という物語が全体を動かす


■remontada2017は「他人事」ではない

この試合の本質は、「バルセロナがすごかった」という一点にとどまりません。

  • どんなに不利でも、人は諦めずに動き続けることで流れを変えられる
  • 感情・信念・周囲との共鳴が、“あり得ない”を“あり得る”に変える

逆転とは、スポーツだけでなく、人生・仕事・社会の中でも起こせる現象なのです。


■私たちがremontada2017から学ぶべきこと

  1. 逆転は、仕組みと心理がそろえば「再現可能」になる
  2. 「奇跡」と見えるものにも、必ず構造とスイッチがある
  3. だからこそ、あなたにも逆転の可能性はある

remontada2017は、過去の1試合ではなく、
誰もが自分の人生で体現できる可能性を示すシンボルなのです。

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