女子ゴルフ界に、またひとつ“逆転の物語”が始まろうとしています。
主役は六車日那乃(むぐるま・ひなの)、23歳のプロ1年目。
今週開催の「宮里藍 サントリーレディスオープン」の主催者推薦選考会(マンデートーナメント)を堂々トップ通過。
プロテストに5度挑戦し、ようやく掴んだプロの座。遅れてきた大物が、いよいよその実力を解き放ちます。
5度目の正直。這い上がってきた覚悟
六車日那乃選手は2002年生まれの23歳。昨年、ギリギリの19位タイでプロテストを通過。
期待されながらもなかなか結果が出ず、“あと一歩届かない”日々が続いていました。
しかし、彼女はあきらめなかった。
「育ての親」とも言える、あの辻村明志コーチの元で技を磨き、メンタルを鍛え、ようやくプロの扉をこじ開けました。
辻村軍団といえば、上田桃子、小祝さくら、永井花奈、吉田優利ら、名だたる選手を輩出した“勝者の系譜”。
その中で“遅れてきたルーキー”六車日那乃選手が、いま逆襲のスタートラインに立ちました。
実力は本物、学生時代からの戦歴に注目
六車選手のゴルフ人生は決して平坦ではありませんでしたが、輝きは随所に見られます。
- 2017年「関東ジュニアゴルフ選手権」優勝
- 2018年「関東中学校ゴルフ選手権 J3カップ」優勝
- 2019年「JGA8地区強化指定選手チーム対抗戦」優勝
- 2020年「NEC軽井沢72」ではローアマチュア獲得
- 2023年、2024年「オーガスタ女子アマ」出場
また、麗澤高校では吉田優利、西郷真央という先輩たちを目標にナショナルチームでも活躍。
2024年のステップアップツアー「あおもりレディス」では2位に入るなど、確実にプロの舞台で実力を示し始めています。
目標とする選手には、辻村門下の上田桃子の名前を挙げる六車選手。
苦しい時間を耐え抜いてきたその背中に、かつての桃子の姿を重ねるファンも少なくないはず。
「宮里藍サントリーレディス」は“次の扉”を開くチャンス
今週開催中の「宮里藍 サントリーレディス」は、まさに飛躍の大舞台。
出場選手には、昨年大会の覇者大里桃子選手、今季2勝を挙げている佐久間朱莉選手をはじめ、今季の優勝者高野愛姫選手、稲垣那奈子選手、申ジエ選手、菅沼菜々選手、安田祐香選手、穴井詩選手、工藤遥加選手、さらに全米女子オープン出場のアマチュア長澤愛羅選手など多士済々です。

優勝賞金は2,700万円。そして、
上位2名には、7月の「AIG女子オープン(全英女子)」の出場権が与えられるという、ビッグチャンス。
今年プロデビューした26名の97期生初のツアー優勝者が誕生するかもしれません。
「六車の逆襲」を見逃すな!
ここ2戦は稲垣那奈子選手、高野愛姫選手の96期生が初優勝を遂げ、次代の流れが動き始めています。
その流れを受け継ぐかのように、次は97期生・六車日那乃選手の番とファンの期待も膨らんでいます。
これまで「芽が出ない」と言われてきた若き才能が、
苦労を重ね、壁を乗り越え、いま逆襲のフェアウェイを力強く歩み始めています。
「誰よりも遠回りしてきた分、絶対に負けたくない」
そんな彼女の静かな闘志が、逆転の物語を加速させる――。
6月12日(木)11:40 10番ホールからスタートです。
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