6月12日、「遠藤ショック」が日本代表を襲った
ワールドカップでの活躍が期待されていた遠藤航選手(リバプール)が左足のケガで代表を離脱。ほとんどのメンバーやスタッフと顔を合わせることなく6月11日にキャンプ地を後にした。またその直後、自身のSNSを更新し代表引退も発表した。一体日本代表の主将に何があったのか。「メンタルアナリスト・ホリシン」を中心に「ワールドカップ通・ナカタ」「スポーツオタク・シュウゾウ」の3人で今回の一連の出来事の中で遠藤航選手のメンタルについて語り合う。
遠藤航は何を考えたのか?

ワールドカップを前に、日本代表に激震が走ったよ。
キャプテン遠藤航がチームを離脱。
SNSでは『まさか』『信じられない』という声が溢れている・・・

いやあ、正直ショックですよ。
遠藤選手がいるだけでチームが落ち着くというか、
安心感があったじゃないですか

私が気になったのは、遠藤選手本人の振る舞いなんです。
あまりにも静かだった。怒りも悲しみも見せず、
まるで何事もなかったかのようにチームを去ったように見えました
「鋼のメンタル」の原点

遠藤選手といえば『鋼のメンタル』

リバプールでも有名でした。監督がある選手を注意する時に
『ワタ(遠藤)のメンタルを見習え』と言ったという話もありました

遠藤選手の強さは、感情が表に出ないことだけではありません。
感情に支配されないことです

どういうこと?

ベルギーのシント=トロイデンからドイツのシュトゥットガルトへ移籍した当初、
ほとんど試合に出られませんでした。普通なら焦りや不満が出ます。
しかし彼は『今できる最善の準備をする』ことだけに集中しました

腐らなかったんですよね

そうです。問題を感情で捉えるのではなく、
『なぜ起きたのか』『どう改善するのか』という
ある意味システムとして捉えていた。
まるで優秀な経営者のような思考です
今回、本当に悔しくなかったのか?

でも今回ばかりは違うでしょう。絶対悔しかったと思いますよ

私もそう思う。100%の状態ではなくても
チームに貢献する準備はしていたはずだからね

もちろん悔しかったでしょう。
怒りもあったかもしれません。
不安もあったでしょう

じゃあなぜ何も言わなかったんですか?

私は彼が無理やり感情を消したのではなく、
一時的に『冷凍保存』したのだと思っています
これぞ「メンタルの冷凍術」

冷凍保存?

はい。感情を殺すのではなく、後回しにするんです

なるほどね

もし遠藤選手が全員の前で
悔し涙を流したらどうなったでしょう?

間違いなくチーム全体が重い空気になる

沈痛な表情で別れの挨拶をしたらどうでしょう?

オランダ戦どころじゃなくなるかもしれません

だから彼は、自分の感情よりもチームの空気を優先して
「無言の退場」を選んだんじゃないでしょうか
板倉滉へ託されたキャプテンシー

興味深いのは、新主将となった板倉滉選手との関係だなあ・・・

遠藤選手がチーム全員に語るのではなく、
板倉に託したという話も出ています

ここが遠藤選手らしいところです

どういうこと?

チームは今後、遠藤体制ではなく板倉体制になります。
そこで元主将が最後まで前に出続けると、
無意識にチームの目線が遠藤選手へ向いてしまう

確かに

だからあえて自分が目立たないように、板倉選手にバトンを渡した。
チームの重心を一瞬で移すためです

それが事実なら、かなり高度なリーダーシップだな
「レジリエンス」とは「平常心を演じる力」でもある

「レジリエンス」は逆境から立ち直る力と言われますが、
私はもう一つ重要な要素があると思っています

なんですか?

周囲のために平常心を演じる力です

演じる?

本当は苦しい。悔しい。でも今はそれを表に出すタイミングではない。
世の中にはその判断ができる人がいます

大人ですね

遠藤選手は感情を押し隠したのではなく、
チームの勝利のために一時的に冷凍保存したのだと思います
ワールドカップ後に解凍される日が来るか

日本代表はこれからすべての試合が大一番。

遠藤選手の思いも背負って戦うことになりますね

私はワールドカップが終わった後を楽しみにしています

というと?

冷凍された感情が解凍される瞬間を見たいからです

おお、見たい見たい

悔しかったのか。納得していたのか。
本当は何を考えていたのか。
今は語れなくてもいいと思います。
でもいつかは話して欲しい・・・

まずはチームが勝つことだな、目標目指して

そうです。自分の感情よりもチームの勝利を優先した男がいた。
その姿勢こそが、遠藤航というリーダーの本質なのかもしれません。
優勝が何よりの恩返しですね。
まとめ
遠藤航選手の無言の退場は、冷淡さでも無関心でもない。
むしろその逆だ。
チームを誰よりも愛し、勝利を誰よりも願ったからこそ、
自らの感情を封印した。
それは「鋼のメンタル」を超えた、「メンタルの冷凍術」。
感情を殺すのではなく、必要な時まで隔離しておく高度な自己マネジメントである。
ワールドカップ終了後、その冷凍庫の扉が開く日を静かに待ちたい。



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